現在開催されている展示セミナーで見てもらう施術の流れになります
1. カウンセリング
クセの強さや髪の状態、ダメージの有無、カラーの履歴、根元の新生部の状態などを確認します。髪が結ばれていたり、ブローでクセが伸びている場合は、一度しっかり濡らしてからドライして、判断しやすい状態に整えます。
▼ クセの種類
- ミクロリッジ:リッジが強く細かい。疎水性が多いが親水性も。切れ毛に注意。
- タフウェーブ:リッジが硬く洗濯板状。疎水性多めだが軟毛の例も。
- ファームリッジ:硬くないがしっかりリッジあり。親水・疎水が混在。
- ブロードウェーブ:広がりと大きなリッジ。疎水寄りの傾向。
- ソフトフリーズ:ふわっと広がるタイプ。撥水性があると疎水寄り。
2. 薬剤の検討
髪質・履歴に応じて以下の配合で選定(根元は基本的に 100-25)
配合 | 内容 | pH | 適用例 |
---|---|---|---|
100 | チオストH | 9.0 | ノンカラー硬毛、普通 |
75 | H:L=3:1 | 8.6 | ノンカラー軟毛、細毛、カラー硬毛 |
50 | H:L=1:1 | 8.2 | カラー普通、軟毛、毎月カラー |
25 | H:L=1:3 | 7.7 | カラー軟毛、エイジング、ダメージ毛 |
10 | チオストL | 6.5 | 既矯正部分 |
8 | チオストAC | 4.8 | 既矯正部分 |
0 | プロテクション | 5.0 | 保護用 |
3. ビフォー写真撮影と再確認
カルテ記録用に撮影しつつ髪の状態を再確認。薬剤の調整もここで。
4. 薬剤の準備
チオスト各種とプロテクションで大半の髪質に対応可能。疎水性が強い髪にはGMTやスピエラの少量添加も有効。
5. 塗布前ブロッキング
- クセが強い髪:シングルピンでフルブロッキング
- クセが弱め:ダッカールでハーフブロッキング
6. 先塗布用スプレーの準備
水スプレーを基本に、髪質に応じて前処理剤などを加える(現在はトステア1使用)。
7. 薬剤の塗布(先塗布・塗り分け)
根元→中間→毛先の順。スライス毎にコーミングしながら、濡らしてクセ確認。
- コームは3本(プロテクション・還元剤・コーミング用)を使い分け
- 放置時間:親水 13~15分、通常 18~22分、疎水 22~25分
8. 1剤の流しと処理
洗い流し→泡立てシャンプー→以下の処理
- インプロ1(2〜3回)
- インプロ2(3〜5回 or 5倍スプレー)
- インバス処理 → タオルドライ
- シトリン → インプロ1+トステアスプレー(3分)
9. フルウェットツインブロー(応力緩和・クリープ)
テンションをかけながら3~4回ブローして水抜き。必要に応じて再形成ブロー。
10. アイロン操作(Sプレス・ツインアイロン)
スループレスでテンション保持しながら熱置き。クリープによる形状安定化を狙う。
11. 2剤の塗布と流し
自然放置5~10分 → 丁寧にすすぎ(1剤後と同様にコアセルベート意識)。
12. 仕上げ処理とドライ
- 基本は「何もつけずに乾かす」
- 最終仕上げにトステア1やシトリン → コーミング → 再ブロー
再現性を体感してもらうためにも、アウトバス使用は最小限が望ましい。